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疲れたまま旅に出てよかった。熊本2泊3日で見つけた心の余白
今回の熊本2泊3日の旅は、最初から完璧に整った旅ではありませんでした。
むしろ、日常の疲れを少し残したまま、どこか気持ちが追いつかない状態で出発した旅でした。
本当は、旅行に行くなら体調も気分も万全で、予定もきれいに組まれていて、朝から余裕を持って出発するのが理想なのかもしれません。
けれど実際の私は、久しぶりの空港に少し緊張しながら、日常の延長線上にあるような気持ちで羽田へ向かっていました。
今回の旅の目的地は、熊本、阿蘇、高千穂、黒川温泉。
自然が豊かで、パワースポットとしても知られる場所を巡る旅です。
ただ、行く前から「癒されに行こう」と強く思っていたわけではありません。
どちらかというと、期限が近づいていたANAマイルを使って、久しぶりに飛行機に乗ってみようという気持ちが先にありました。
けれど、旅を終えてみると、今回の熊本2泊3日は、ただの観光旅行ではありませんでした。
阿蘇の広い景色、高千穂の静けさ、黒川温泉のゆるやかな時間。
その一つひとつが、知らないうちに張りつめていた心を少しずつほどいてくれたように感じます。
久しぶりの空港で感じた、日常が切り替わる瞬間
空港へ行くのは久しぶりでした。
以前は飛行機に乗ること自体に少し苦手意識があり、空港に着くまでの移動や手続きも、どこか気持ちが落ち着かないものでした。
けれど今回、羽田空港に着いた瞬間、思っていたよりも心が静かになっていることに気づきました。
空港には独特の空気があります。
まだ目的地には着いていないのに、すでに日常から少し離れているような感覚。
仕事のこと、家のこと、普段の予定。
そういったものが、搭乗口へ向かうにつれて少しずつ遠くなっていくようでした。
サロンでお客様と向き合っていると、「疲れているけれど休めない」という声をよく感じます。
身体は休んでいるはずなのに、頭の中では次の予定や心配ごとを考え続けてしまう。
そういう状態は、現代の大人にはとても多いのではないでしょうか。
私自身も、旅に出る前はまさにその感覚に近かったと思います。
休みの日であっても、どこか仕事のことが頭の片隅に残っている。
完全にオフになりきれないまま、日常を引きずっていました。
けれど空港にいると、強制的に次の場面へ進んでいきます。
保安検査を通り、搭乗口へ向かい、飛行機に乗る。
その流れの中で、自分の意志とは別に、日常から少しずつ距離ができていく。
旅の良さは、目的地に着いてからだけではなく、この「切り替わる途中」にもあるのだと感じました。
熊本は、思っていたより近かった
飛行機に乗ってしまえば、熊本は想像していたよりも近く感じました。
普段の生活の中では、熊本や阿蘇、高千穂という場所は、どこか遠い存在のように思えます。
けれど実際に空を飛んでみると、距離の感じ方は大きく変わります。
「遠い」と思っていた場所も、行こうと思えば行ける。
この感覚は、旅の大きな学びの一つでした。
年齢を重ねるほど、新しい場所へ行くことに少し慎重になります。
移動が大変そう、疲れそう、予定を立てるのが面倒そう。
そう考えているうちに、行きたい場所があっても、いつの間にか後回しになってしまうことがあります。
でも今回、マイルを使って航空券を予約したことで、旅へのハードルが少し下がりました。
現金で航空券を買うとなると、どうしても「本当に今行くべきか」と考えてしまいます。
けれど、期限が近いマイルを使うという理由があったことで、背中を押されたような感覚がありました。
旅には、きっかけが必要な時があります。
行きたい気持ちはあるのに動けない時、マイルの期限や偶然の空席、ふと目に入った景色が、行動の理由になることがあります。
今回の熊本旅は、まさにそういう旅でした。

阿蘇で肩の力が抜けた理由
熊本の旅で特に印象に残っているのが、阿蘇の景色です。
阿蘇の広さは、写真や言葉で知っているだけでは伝わりきらないものがありました。
目の前に広がる草原と空。
遠くまで続く道。
普段、自分がいかに狭い範囲の中で考え事をしているのかを、自然と思い知らされるような感覚がありました。
サロンで施術をしていると、肩や首が硬くなっている方はとても多いです。
もちろん、姿勢やスマートフォン、パソコン作業の影響もあります。
けれど、それだけではないと感じることもあります。
身体の硬さには、考えすぎや気を遣いすぎ、ずっと緊張している時間の長さも関係しているのではないかと思うのです。
阿蘇の景色を見た時、私自身もふっと肩の力が抜けました。
何かを解決したわけではありません。
特別な答えが出たわけでもありません。
ただ、広い景色の前に立つと、自分の中で大きく見えていた悩みや予定が、少し小さく感じられました。
人は、ずっと同じ場所にいると、同じ考え方の中に閉じこもりやすくなります。
いつもの部屋、いつもの道、いつもの人間関係。
それらは安心でもありますが、時に心を狭くしてしまうこともあります。
阿蘇のような広い場所に身を置くと、頭で考えるより先に、身体の方が反応するのかもしれません。
深く息を吸いたくなる。
遠くを見たくなる。
急がなくてもいいと思える。
その感覚こそ、今回の旅で私が受け取った大きなものの一つでした。

高千穂で感じた、静けさの力
高千穂では、阿蘇とはまた違う静けさを感じました。
阿蘇が「広がる場所」だとしたら、高千穂は「内側へ戻る場所」のようでした。
渓谷の緑、水の流れ、空気の湿度。
そこには、急かされる感じがありません。
観光地でありながら、ただ見るだけではなく、少し立ち止まりたくなるような空気がありました。
忙しい日常の中では、静かな時間を持つことが意外と難しいものです。
スマートフォンを見ていなくても、頭の中では何かを考えている。
予定が空いていても、心は次の準備をしている。
本当の意味で静かになる時間は、意識しないとなかなか作れません。
高千穂で感じたのは、何かを頑張って得る癒しではありませんでした。
そこにいるだけで、少しずつ余分な力が抜けていくような感覚です。
サロンの施術でも、お客様が最初は話していても、途中からふっと静かになる瞬間があります。
その時、身体だけでなく、頭の中も少し休み始めているのだと思います。
高千穂での時間は、それに近いものがありました。
言葉にしすぎない方が伝わるもの。
説明しようとすると薄くなってしまうもの。
旅の中には、そういう時間があります。
今回の熊本2泊3日で、私は観光地を巡ったというより、場所ごとに違う形で心を休ませてもらったのだと思います。

黒川温泉で思い出した、急がない時間
黒川温泉では、時間の流れ方が少し変わったように感じました。
温泉街の道、やわらかい灯り、湯けむりのある景色。
派手さよりも、静かに身体を休めるための空気がありました。
普段の生活では、何かをしていないと落ち着かないことがあります。
予定を確認したり、調べものをしたり、写真を撮ったり、次の行動を考えたり。
旅先でさえ、気づけば効率よく回ろうとしてしまうことがあります。
けれど黒川温泉にいると、効率を求める気持ちが少し薄れていきました。
早く進むことより、ゆっくり歩くこと。
たくさん見ることより、一つの景色を味わうこと。
そういう時間が、今の自分には必要だったのだと思います。
40代以降の旅は、若い頃の旅とは少し違うのかもしれません。
以前なら、できるだけ多くの場所を回り、写真を撮り、予定を詰め込むことに満足感がありました。
けれど今は、予定を少し減らすことで見えてくるものがあります。
何もしない時間。
ただ座って景色を見る時間。
早めに宿に戻る余白。
そういう時間の中で、心と身体はようやく休み始めるのかもしれません。

「ついている旅」だったと感じた理由
今回の熊本2泊3日は、振り返ると「ついている旅」だったように思います。
すべてが予定通りだったからではありません。
むしろ、予定通りに進まないことや、その場で判断することもありました。
けれど、不思議と大きく困ることはなく、その時々で必要な流れに乗れたような感覚がありました。
旅では、完璧な計画よりも、その場で受け取る感覚が大切になることがあります。
予定を詰め込みすぎていると、少しのズレがストレスになります。
けれど余白があると、偶然を楽しむことができます。
この余白こそ、今回の旅で一番大切だったのかもしれません。
日常では、私たちはつい正解を探します。
効率の良い方法、失敗しない選択、損をしない判断。
もちろん、それは大事なことです。
けれど、いつも正解ばかりを探していると、心が休まる時間がなくなってしまいます。
旅の中では、少しぐらい予定が変わってもいい。
思った通りに進まなくても、それも旅の一部になる。
そう思えた時、心は少し軽くなります。
「ついている旅」とは、何もかもが都合よく進む旅ではなく、予定外のことも含めて、最後には必要な時間だったと思える旅なのかもしれません。
旅は、疲れを忘れるためではなく、自分に戻るための時間
今回の熊本旅を通して感じたのは、旅は疲れをなかったことにするものではないということです。
疲れている自分を置き去りにして、無理に楽しむものでもありません。
むしろ、疲れたままでも旅に出ていい。
少し気持ちが重いままでも、完璧に整っていなくてもいい。
旅先で違う景色に出会い、違う空気を吸い、いつもと違う時間の中に身を置くことで、少しずつ自分に戻っていく。
今回の熊本2泊3日は、そんな旅でした。
阿蘇では、広い景色に心を開いてもらいました。
高千穂では、静けさの中で内側へ戻る感覚がありました。
黒川温泉では、急がない時間の心地よさを思い出しました。
どの場所も、何かを強く主張してくるわけではありません。
ただそこにある景色や空気が、こちらの力を少しずつ抜いてくれるようでした。
15年以上サロンでお客様の疲れに触れてきて思うのは、人は自分が思っている以上に、力を入れたまま生きているということです。
頑張っている自覚がなくても、身体は緊張している。
大丈夫だと思っていても、頭は休めていない。
だからこそ、時々は日常の外に出ることが必要なのかもしれません。
遠くへ行くことが目的ではなく、いつもの自分を少し外から見るために。
忙しさの中で見えなくなっていた感覚を、もう一度取り戻すために。
旅には、そんな力があると感じました。

次は、ANAマイルで熊本へ行った話へ
今回の熊本旅は、ANAマイルを使って行きました。
現金で航空券を買っていたら、もしかすると「今回はやめておこう」と思っていたかもしれません。
けれど、期限が近いマイルがあったことで、旅に出る理由ができました。
この経験から、マイルは単なる節約手段ではなく、旅のきっかけを作ってくれるものだと感じました。
次の記事では、実際にANAマイルを使って熊本へ行ったこと、現金で買った場合との違い、そして40代からの旅にマイルが向いている理由について書いていきます。
旅は、特別な人だけのものではありません。
忙しい人にも、疲れている人にも、少し立ち止まりたい人にも、旅が必要なタイミングがあります。
今回の熊本2泊3日は、私にとってそのことを思い出させてくれる旅でした。

