マンゴーが食べたい、その一言から始まった。京王プラザホテル 樹林のスイーツビュッフェ

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以前、友人と「次はスイーツビュッフェに行きたいね」という話をしていて、私が「メロン・もも・マンゴー・ブドウ、どれが食べたい?」と聞いたら、迷わず「マンゴー」という答えが返ってきた。それならマンゴーのあるビュッフェを探そう、とOZmallで検索して見つけたのが「本格かき氷6種も!桃やマンゴーなどのできたてスイーツブッフェ+カフェフリー」(期間/平日限定6,000円)というプランだった。

今年の梅雨は肌寒い日が続いていたけれど、当日の朝は一転。今年初めてセミの鳴き声を聞きながら最寄り駅へ向かった。昨日まであんなに寒かったのに、30度を超える夏の空気に変わっていた。かき氷も美味しくいただけそうだと、足取りが軽くなった。迷子になる可能性があったので早めに家を出たら、約束の時間より30分も早く到着してしまった。でも、それもまた旅のような一日の始まりにふさわしかった。

席に案内されるまでに、もう違いがわかった

今回の目的地は、京王プラザホテル東京の2階にある「オールデイダイニング 樹林(ジュリン)」。OZmallで見つけたお目当てのプランだ。
期待に胸を膨らませていざ入店。席へと案内されるその短い時間の中に、すでに感動の種は撒かれていた。

スタッフが料理の並ぶコーナーの前を通りながら、スマートに今日のラインナップを説明してくれるのだ。ビュッフェ台を横目に見ながら歩くだけで、全体の構成が自然と頭に入ってくる。「着席してすぐ、迷わず動き出せる」というこの安心感は、おもてなしの設計として実に見事というほかない。

さらに驚いたのは、席に着いてからの圧倒的なスピード感。空いたお皿やカップは、こちらの視線に気づくよりも早く、スタッフの手によって滑らかに片づけられていく。次の一皿を持ってきたときには常にテーブルがすっきりしているという、ホテルのレストランならではの洗練された心地よさ。

普段、サービスを提供する側の仕事をしている身として、この無駄のない自然なオペレーションには思わず感心してしまう。「さすがホテルのレストランだね」という言葉が、友人との会話の中で何度も飛び出した。

後ろのテーブルに賑やかな子連れのグループがいたため、いわゆるラグジュアリーな静けさとはいかなかったけれど、混雑を感じさせない空間設計のおかげで、私たちは自分たちのペースで心ゆくまで食を愉しむことができた。

チョコレートケーキで、脳がバグる

プチガトー(ケーキコーナー)が並ぶケーキコーナーでは、シェフが目の前で丁寧に説明しながらお皿に取り分けてくれる。どれも小ぶりな一口サイズなので、つい欲張っていくつも手が伸びてしまう。
嬉しかったのは、スポンジを使ったケーキが少なめだったこと。ビュッフェでボリュームのあるスポンジ系が続くと途中で重くなりがちだけれど、ここでは最後まで美味しく食べられるように引き算の工夫がされている。

そんなラインナップの中で、群を抜いて強烈なインパクトを残したのが、一見どこにでもある普通のチョコレートケーキだ。

口に入れた瞬間、脳が一瞬バグるような感覚に襲われる。

見た目は完全にスポンジケーキなのに、舌に触れた瞬間のテクスチャーが全く違うのだ。噛むよりも早く、お口の中でチョコレートそのものが滑らかに、濃厚に溶けていく——。「言葉では説明しきれないけれど、何かがおかしい!」と思わず友人と顔を見合わせた。この未知の食感と仕掛けは、「もう一度確かめたい」と思わせるリピートのフックとして実に見事。

甘い誘惑が続いた後は、さっぱりとしたジュレが最高のバランサーになってくれる。お口の中を綺麗にリセットしてくれるこの絶妙な配置も、ビュッフェの全体の「流れ」として実によく計算されている。

マンゴーはソースで、かき氷で、ムースで

今回の主役は何と言ってもマンゴー。楽しみにビュッフェ台へ向かうと、そこには期待を遥かに超える、圧倒的な魅せ方のバリエーションが広がっていた。
フレッシュマンゴーを艶やかにあしらったタルト、繊細なパイ生地が重なるミルフィーユ。さらにはマンゴーとマスカルポーネが溶け合う濃厚なムースに、夏らしさ満点のかき氷マンゴーミルクまで——。視界のどこを切り取っても、形を変え、姿を変えたマンゴーたちが美しく咲き誇っている。

面白いのは、すべてのメニューに果肉がゴロゴロと大ぶりにカットされて使われているわけではない、ということ。 あるものは艶やかなソースとして全体をまとめ、あるものは冷たい氷のシロップとして涼を呼び、またあるものはムースの中に数粒のアクセントとして忍ばせてある。引き算と足し算を巧みに使い分けたその技法は、実に繊細でプロフェッショナルだ。
それなのに、どれを一口食べても、マンゴー特有の濃密な甘みと南国の香りがしっかりと脳を刺激してくる。 「1つの主役食材を、これほど多彩なアプローチで飽きさせずに味わい尽くせる」ということこそが、私たちが大人のホテルビュッフェに求める本当の贅沢であり、プロの仕掛けの凄みなのかもしれない。

もちろん主役だけでなく、みずみずしく弾けるフレッシュメロンのタルトや、上品な甘さの白桃を贅沢に使ったショートケーキなど、夏の味覚のオールスターが脇を固める。まさに「夏のスイーツビュッフェ」の名に恥じない完璧な布陣に、終始胸が高鳴りっぱなしだった。

これだけの美しいラインナップを前にすると、さすがに制限時間の2時間ではすべてを完璧に制覇しきれない。お腹と相談しながら、「これは次回来たときのための“宿題”だね」と友人とあれこれ未来の予定をノートに残すような感覚。そんな名残惜しさすらも、このビュッフェがくれた愉しみの一つだった。

かき氷は、6種類あった

実は、ここ数日の梅雨寒のせいで「かき氷を美味しくいただけるだろうか……」と少しだけ心配していた。けれど、いざ当日を迎えてみれば気温は30度超え。これ以上ない絶好のかき氷日和に、胸の内の懸念は一瞬で吹き飛んでしまう。

ただ、2時間ひたすらスイーツを愉しみ続けた後のお腹に、フルサイズのかき氷を受け入れる余裕はさすがに残っていない。

そこで、「味見程度に、ほんの少し小さめに作っていただくことはできますか?」と恐る恐る尋ねてみることに。すると、目の前のシェフは嫌な顔一つせず、それどころか満面の笑顔で「もちろんです!」と快く応じてくれた。

こうした、マニュアルだけに縛られない現場の柔軟なホスピタリティこそが、ホテルクオリティの価値なのだと肌で実感する。小さなしつらえのおかげで、お腹に負担をかけることなく、純粋に美味しさを味わう準備が整った。

小さなしつらえのおかげで、お腹に負担をかけることなく、純粋に美味しさを味わう準備が整った。

私たちが選んだフレーバーは、実に個性的。私は王道の「マンゴーミルク」と、少し大人な「酒粕」をセレクト。そして友人が選んだのは、なんと「香ばしとうもろこし バター醤油添え」!

かき氷にとうもろこし、しかもバター醤油という組み合わせは初耳で驚いたけれど、一口ごとに嬉しそうに目を細める友人の表情を見れば、その完成度の高さは一目瞭然だ。

ビュッフェ台を改めて見渡すと、他にも「西京味噌&くるみのMISO NOIX」など、一風変わった魅惑のネオかき氷たちがずらりと揃っている。単なるデザートの枠を超え、素材の組み合わせの妙を愉しませてくれる仕掛けには、クリエイティブな刺激をもらえる。

「次に来るときは、最初からお腹にしっかりスペースを空けて、この変わり種たちをじっくり定点観測したいな」——そんな心地よいリベンジを誓いながら、冷たい口溶けを堪能した。

シェフの人数に、圧倒される

ふと顔を上げると、視線の先には活気あふれるオープンキッチンが広がっている。 食事を愉しみながら何気なくシェフたちの動きを追ううちに、あることに気づいた。……とにかく、人が多いのだ。

気になってざっと数えてみたところ、なんとこのレストランのキッチンだけで30人近くものシェフが腕を振るっている。 「1つのレストランでこれだけの人数でしょう? ホテル全体を見渡せば、他のレストランも、結婚式や大規模なイベント対応のキッチンだってあるはず。一体どれだけの人件費とエネルギーが動いているんだろう……」 目の前の光景に圧倒されながら、友人と思わずそんな現実的な驚きを共有し合ってしまう。

けれど、テーブルにあるお料理やスイーツの質の高さ、そしてあの流れるようなオペレーションを思えば、それだけ膨大な「人の手」と「プロの目」がかけられている証拠なのだと深く納得がいく。平日限定6,000円という価格が、高いどころか、むしろこの上なく贅沢でリーズナブルなものに思えてくるから不思議だ。

以前、友人と3,000円ほどのカジュアルなビュッフェへ行ったとき、二人で「もう次はないね」と苦笑いしたことがあった。今回は金額こそ倍だけれど、友人も「この金額を支払うだけの価値が確かにあるね」と大満足の様子。価格と満足度は単なる数字の大小ではなく、その裏にある「仕組みとクオリティ」に比例するのだと、改めて肌で学ぶ時間になった。

「なるほど、これは自分のサロンのサービス設計や価格設定にも、大いに落とし込める視点かもしれないぞ……」

そんなふうに、普段の仕事脳がちろりと顔を覗かせたのも束の間。 目の前のおお料理のあまりの美しさに、思考は一瞬でシャットダウン。結局は「美味しい!」の誘惑に全力で負け、食べることに100%集中してしまうのだった(笑)。

2時間が、あっという間だった

ドリンクのラストオーダーは終了30分前。せっかくのカフェフリーを最後まで満喫しようと、私も友人も欲張ってさらに2杯ずつ追加をオーダーする。

そうこうしているうちに制限時間はあっという間に迫り、最後は少し流し込むような慌ただしさに。けれど、それもまたビュッフェの醍醐味(笑)。

お会計を済ませてお店を出たとき、お腹の満ち足り具合は完全にキャパシティを超えていた。正直に言えば、「このままではとても電車に乗れない……!」というレベル。友人と顔を見合わせ、ひとまずロビーの広々としたソファに深く腰掛け、体を休めることにする。

ここまで限界を迎えるほどの満腹感を味わったのは、本当に久しぶりのこと。それでも不思議と、後悔の念は一切湧いてこない。動けないほどの苦しさすら、裏を返せば、一皿一皿のクオリティに妥協がなかったことへの何よりの証明であり、それだけ心からの満足感に満たされていたということなのだと思う。

ホテルならではの極上のホスピタリティと、主役を多彩に魅せるプロの技法。胃袋だけでなく、五感と仕事脳のインプットまで満腹になった、実に中身の濃い2時間だった。

——さて、この心地よい余韻(と強烈な満腹感)を引きずったまま迎えた、食べすぎた午後のひととき。
私たちはこの後、都心のオアシスとも言える、思いがけない素敵な場所へと迷い込むことになる。

その「小さな旅」の続きは、また次の記事で。

今回私たちが訪れた、京王プラザホテル東京「樹林」のスイーツビュッフェ。 日常を少し離れてプロの技とおもてなしに触れる時間は、お腹だけでなく心まで満たされる素敵な体験でした。

季節ごとにメニューが変わるので、気になる方はぜひチェックして、自分だけの「美味しいインプットの旅」に出かけてみてくださいね。

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※本記事に記載しているメニュー・料金・営業時間は執筆時点の情報です。変更になる場合がありますので、お出かけ前に公式サイトでご確認ください。

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